TAMASHII NATIONS PRESENTS シネトイ魂!

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.2
「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」

2020.06.26

“アメキャラ系ライター”杉山すぴ豊氏が、独自の視点からシネトイ(洋画フィギュア)を語ります。

第2回は、6月1日に店頭予約解禁となり、好評予約受付中の「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」をテーマにお届けします。

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.2<br />「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」

気に入ったヒーロー映画やモンスター・ムービーのキャラを手元においておきたいという人は多いハズ。BANDAI SPIRITSのコレクターズアイテムブランド「TAMASHII NATIONS」さんの洋画フィギュアはまさにこうした願いをかなえてくれます。その魅力を映画ライターの視点で語っていきたいと思います。

今回は今年公開が予定されている『ワンダーウーマン1984』(20年)に登場するワンダーウーマンです。

今回のフィギュアはガル・ガドットが演じる映画版のワンダーウーマンを元にしたフィギュアです。ガル版ワンダーウーマンは、過去3回映画に登場しており、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16年)、『ワンダーウーマン』(17年)、『ジャスティス・リーグ』(17年)。つまり今回の『ワンダーウーマン1984』は、映画としては4作目、“ワンダーウーマン”をタイトルとした映画としては2作目となります。

映画の公開順ではなく物語的な時系列でいうと、神秘の島アマゾンの姫にして女戦士だったダイアナことワンダーウーマンが第一次世界大戦で邪神に操られたドイツ軍と戦った冒険を描いたのが『ワンダーウーマン』。
基本彼女は不老不死ですからずっと人間界でその正体を隠しながら生き続け、現代=2016年に本格的にヒーローとして復活。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』で他のヒーローたちと一緒に大活躍! というわけです。
そして『ワンダーウーマン1984』は文字通り1984年が舞台であり、「第一次世界大戦以降以降→バットマンやスーパーマンたちと出会う」までの間に彼女になにがあったのかを描きます。バットマンたちと共演ということからもわかるようにアメコミの大手DCのキャラクターです。

コミックの方では1941年にデビュー。1938年にスーパーマンがデビューし翌年にバットマン。
アメコミ・ヒーロー物が人気を博していた時代でした。興味深いのは、当時のヒーローたちがスーパーマンを基軸に考案されていたらしいことです。例えば、宇宙人で明るいカラーリングのスーパーマンに対し、地球人でダークが基調のバットマン。空を飛べるスーパーマンに対し、海のアクアマン。マルチな能力を持つスーパーマンに対し、速さに特化したフラッシュ。そして男の超人であるスーパーマンに対し、女超人ワンダーウーマンです。僕は当初、ワンダーウーマンというのは露出度の高いコスチュームだから“男性目線”を意識して生まれたキャラだと思っていたのですが、当時の資料等を読むとそうではなかったようです。

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.2<br />「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」

当時のDCは、コミックの質を向上させるため、有名な心理学者ウィリアム・モールトン・マーストンに助言を求めていたそうです。
マーストンは女性読者も取り込めると考え“ヒーローとしての力強さと女性ならでは善良さ”をあわせ持つヒーローとしてワンダーウーマンを生み出したのです。(マーストンは男性ですが、女性の生き方や男女の関係について、当時としてはかなり先進的な考えの持ち主と言われています)
こうしてワンダーウーマンはアメコミ・ヒーローを代表するキャラになりました。DCの中ではスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンをトリニティ(三位一体の意味ですが、この場合はDCが誇る至高の3人みたいなことでしょう)と言ったりもします。しかしスーパーマンやバットマンが何度も映画化されているにも関わらず、ワンダーウーマンはなかなかスクリーンに登場しませんでした。
スーパーマンは1950年代にTVドラマ・シリーズ化され人気を博し1978年に超大作映画化。バットマンは1960年代にTVドラマ・シリーズ化され空前のヒット作となり1989年にメガ・ヒット映画となります。ワンダーウーマンは1970年代にTVドラマ・シリーズ化されこれまた大人気だったので、先の2人の法則に従えば1999年ごろスクリーン・デビューをしていてもおかしくないのですが、2016年の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』までスクリーン・デビューはお預けとなります。

その理由はいくつか考えられるのですが、1990年代の終わりは一旦スーパーマンやバットマンの映画シリーズが終了して、DCとして今後のアメコミ・ヒーロー映画ビジネスをどうするか模索していたと思うので、ワンダーウーマンをどうしたらいいか迷っていたのでしょう。
しかし2000年代に入りマーベルを基軸とした空前のアメコミ・ヒーロー映画が起こり、DCも「ダークナイト」3部作で息を吹き返したのでこうした勢いの中からワンダーウーマンもついに映画化となります。僕は最初からワンダーウーマンの映画にせず『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』からデビューさせたことは大成功だったと思います。これによりワンダーウーマンは、スーパーマンやバットマンと肩を並べるビッグなヒーローだということを印象付けられましたから。そうワンダーウーマンは決してヒーロー界のアイドルではない。堂々たるヒーローなのです。

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.2<br />「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」

今回のフィギュアですが、“ヒーローとしてのワンダーウーマン”がうまく造形化されていると思います。映画のワンダーウーマンはコスチュームというより神話に出てくる剣闘士的な甲冑を着ています。だからワンダーウーマンの人形は“セーラー・ムーン”ではなくて“聖闘士星矢”路線であるべき。その甲冑感が良く出ていますね。また今回の映画をなぜ1984年にしたかというと、80年代はポップカルチャーが花開いた時代であり、カラフルでポップなトーンだからだそうです。

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    S.H.Figuarts ワンダーウーマン (JUSTICE LEAGUE)
    発売中

  • 杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.2<br />「S.H.Figuarts ワンダーウーマン(WW84)」

    S.H.Figuartsワンダーウーマン(WW84)
    (2020年8月発売予定)

前回のワンダーウーマンは第一次世界大戦のヨーロッパ戦線が舞台だったので、若干ワンダーウーマンの色合いも渋めでしたが、今回は色が派手で明るいですよね。このカラーリングも素晴らしい。前回のワンダーウーマンは剣と盾があったので、それを持たせていかにかっこいいポーズにするかだったのですが、今回はシンプルに彼女だけなので彼女の躍動感あるポーズをどう再現するかが楽しみ方の一つ。特に黄金の投げ縄=真実の投げ縄は、ワンダーウーマンには欠かせない重要なアイテム。この縄に縛られると嘘をつけないという設定があります。ワンダーウーマンの原作者マーストン博士はうそ発見器の開発にも貢献したようなので、彼のアイデアなのでしょう。投げ縄をうまく持たせてみたいです。
顔もガル・ガドットならではのキリリとした表情がよくでていて“ワンダーウーマンのフィギュア”ではなく“ガル・ガドットのワンダーウーマンのフィギュア”とよぶにふさわしい出来栄えでしょうか?
僕は玄関にフィギュアを飾ることがあるのですが、有名な手をクロスさせるワンダーウーマン・ポーズにしてしばらく置いておこうかと思います。なんだか、ウィルスを家に絶対入れません! みたいな素敵なお守りになりそうです。

Text: 杉山すぴ豊

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