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S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

2021.11.19

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

S.H.Figuarts MARVELシリーズの大きな特長である「魂のデジタル彩色」。
顔がリアルにつくれる技術なんでしょ?という事はご存知の方もいらっしゃると思いますが、今回はもう少し深掘りした内容を企画担当者のインタビューでご紹介します!

-- そもそも「魂のデジタル彩色」って何なんですかね?

オレスカ・ジュリアン(以下オレスカ) S.H.Figuartsの洋画シリーズに採用している彩色技術です。約1.5cmの小さな頭部パーツに、実写キャラクターの表情などをリアルに再現できる技術なんです。

-- なんだか凄そうですが、もっと具体的に教えていただいても?

オレスカ 工場での彩色方法は「インクジェットプリント」というとわかりやすいかもしれません。
立体的なパーツの上からインクを吹き付けて、表情の彩色をプリントするんです。目や口のパーツがハッキリと線がきまっているアニメキャラクターと違って、実写のキャラクターの立体化には皮膚の質感や、こまかな陰影、場合によってはヒゲなど、ミクロレベルの彩色が求められます。ですので、デジタルで精密に作成した印刷データをプリンターで吹き付ける方法で彩色をしているんです。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

Photo by 重松健一郎

-- なるほど。でも、最近はいろんなメーカーさんがデジタルプリントを採用しているような…? 一体どのへんが「魂」のデジタル彩色なんですかね?

オレスカ 年間300体近くの商品を制作している魂ネイションズのスタッフによるクオリティコントロールはもちろんのこと、製品の元となる原型と印刷データの作成過程に魂を込めたノウハウが凝縮しています。

表情や照明、角度、撮影時期などにより、実在の人物の印象はまるで異なってきます。お客さまの脳内にある「キャラクターらしさ」は、様々なシーンが集まって作りだされるものだったりするので、その「らしさ」を見つけるのが難しい作業です。

-- 情報が多いゆえの難しさがあるんですね。新作だとどうなんでしょう?

オレスカ 映画やドラマの公開期間中に発売する商品は、我々も本編映像をまだ見ていない状態で制作するので、より一層難しくなります。
なので「FINAL BATTLE EDITION」のような映画公開後から制作に着手するラインは特に映画のシーンをじっくり研究して商品を制作できるので、「印象的なシーンの再現」を追求できます。「S.H.Figuarts アイアンマン マーク85 -《I AM IRON MAN》 EDITION- (アベンジャーズ/エンドゲーム)」がわかりやすい例でしょうか。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

オレスカ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』のあのシーンをフィギュアでほしい!というお客さまの声もありましたし、僕にとっても非常に印象的なシーンだったので「I AM IRON MAN」のシーン再現にこだわった表情の制作、商品仕様にしています。

-- 制作チームの魂が原型制作の段階からこめられているってことですね。
そのあたりも気になりつつ、今回はもうちょっと生産寄りのお話しを聞いてもよいでしょうか?
さきほど「アニメキャラクターとは違う」という話もありましたが、タンポとプリントの違いってことなんでしょうか。

オレスカ タンポ印刷、もしくはパッド印刷は主にアニメフィギュアやマーキング等、はっきりとした輪郭の模様に使っている技術で、2次元の目などは色別でレイヤーに分けて、同じ個所、例えば「眼」に色別で彩色を押し付けます。対して、デジタル彩色の場合は、顔のデータにグラデーションなども入っているので、1工程で顔全体の色彩や濃淡、眼の虹彩などの表現が可能です。そのために、顔パーツの鼻・眼などの凸凹を考慮して、デジタル彩色のデータは平らなパソコン画面で作成しますが、フィギュアに乗せた時に歪んで見えないように特別な調整や試行錯誤が必要になります。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

Photo by ホットケノービ

-- 「インクジェットプリント」といえば家庭用のプリンターもインクジェットプリンターですが、原理としてはアレと一緒なんですか?

オレスカ 家庭用のプリンターと似たような形ですが、入るものは紙ではなく、立体物ですので、より大きくて、色んなサイズの物がプリントのヘッドの下を通れるようにデザインされている機械です。

-- 真上からだとインクが届かなさそうな場所もありそうですが、それはどうしているんですか?

オレスカ 場合によって、印刷を数回に分けたり角度を工夫したりしています。例えば、髭のあるキャラクターですと、髭が左右、顎の下に続くケースが多くて、工夫が必要です。ただ、自然に一連に見えるようにするために、ここにも工夫が必要で、そこには工場の作業スタッフの経験とノウハウが活きています。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

Photo by 重松健一郎

-- 先ほど「映像を観る前に作る」と仰ってましたが、設定資料なんかを見ながら作っているんでしょうか?

オレスカ はい、版権元様から作品に出てくるキャラクターの写真やイラストなどを頂き、それをベースにフィギュアの造形やデジタル彩色のデザインを原型制作会社様と作成します。そして、実際に工場で確認しながら制作会社様と何度もフィードバックを繰り返して製品版のデータを作り上げます。

-- 元々のキャラクターの顔立ちによって、魂のデジタル彩色で立体化する難易度は違ったりしますか?

オレスカ 特に鼻の高いキャラクターは角度の工夫が必要になるケースが多いですね。また、前の質問で説明した「髭」も同じ理由で、印刷の回数が増えるとコントロールの難易度が大きく上がります。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

Photo by 荒井洋輔

-- ちなみに、男性と女性でも難易度違うんですかね? 女性だと、メイクをしていたりしますよね。

オレスカ 仰る通り、女性キャラクターだとメイクがありますが、フィギュアの場合は顔が約1.5cmのサイズだと、例えば瞼の上のアイシャドーが1~2mm程度のサイズになるので、そこにグラデーションやメイクらしい彩色を入れるのはかなり難しいです。また映像の印象に近づけるために、印刷データの濃度を加工したり、グラデーションのポイントを絞ったり工夫してデータを作成しています。

-- S.H.Figuartsは実際の人物よりも顔の大きさが1/12ほどしかないですよね。特撮のフィギュアだと要素を整理して「小さくても似てる」ように見える工夫をするなんてことも聞いたことがありますが、洋画シリーズも誇張表現だったりデフォルメだったり工夫してるんですか?

オレスカ 映画等の実写作品シリーズの頭部パーツには、髪の毛パーツや鼻の穴、耳の中などの細かいディテールを再現するためにPVCという軟質性のプラスチックを使用するケースが多いんです。ただ、軟質素材は、生産過程で収縮してしまう可能性があります。ですので、それを見越して原型の段階でデータ作成の方法なども事前に考慮したりしますね。
フィギュアのクオリティを決める非常に大切な要素のひとつだと感じているので、いつも最善の結果にできる様に工場の皆さま、原型制作会社様にも日々工夫頂いて、努力を重ねています。

S.H.Figuarts MARVELシリーズ「魂のデジタル彩色」には、いかにして魂をこめているのか!?

Photo by 荒井洋輔

-- 色々と企業秘密スレスレの内容まで教えていただいてありがとうございます。
この小さな1.5cm程度の頭部パーツにそんなに魂がこめられているんですね。今度からS.H.Figuartsを見る際のありがたみが違ってきそうです。S.H.Figuarts MARVELシリーズはキャラクターとしての「存在感」「実在感」があるので、映画のシーンを再現したり、自分だけのオリジナルなシーンをつくったりして写真撮影をして楽しむ文化も広がったのではと思います。本日はありがとうございました!

この記事はこのメンバーでお届けしました

S.H.Figuarts MARVEL企画担当:オレスカ・ジュリアン
「99人の壁」にMARVELのブロッカーとして登場したこともある、自他ともに認めるMARVELマニア。
「FINAL BATTLE EDITION」シリーズなど、劇中のエモーショナルなシーンをS.H.Figuartsで体験することへのこだわりがスゴイ。

インタビュアー
S.H.Figuarts MARVELシリーズの愛好家。

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